来年、2016年1月16日に総統、副総統、立法院議員の選挙が行われます。台湾の政治は孫文の五権分立理論に基づいた五院制になっていて、立法院、行政院、司法院、考試院(公務員人事を行う)、監察院(公務員、国家機関の不正弾劾と糾挙、会計監査、国政調査)から成ります。

台湾の総統は、日本の内閣総理大臣のような存在ですが、日本と違い、国民の総選挙で選ばれます。現総統は国民党の馬英九ですが、4年の任期を2期までという制限があり、再度の立候補は出来ません。そこで国民党は党副主席で立法院副議長の洪秀柱を擁立していたのですが、国民党は10月17日に党大会を開き、総統候補を党主席で現新北市長の朱立倫に変えました

以前から、民主進歩党の蔡英文がテレビ局の調査で40%支持率を得たのに対し、洪氏の支持率は23%と振るわないことから、朱氏が候補辞退を迫っていました。これに10月2日にラジオ番組で洪氏が、台湾は憲法上最終的には(中国との)統一が必要だと述べたことがきっかけとなり、馬英九総統の合意を得て、総統候補を洪氏から朱氏に変えることが決ったのです。国民の59.5%が独立もしない、統一もしない現状を支持しており、統一を支持する人は9.1%しかいないのですから、この発言は総統選挙、さらにその後の選挙に大きな影響を与えます。

昨年11月、馬政権は台湾統一地方選で台北市と台中市の市長ポストを失い、大敗をしました。党主席を兼ねる馬英九総統の指導力が低下したためとも言われますが、このことも総統候補の変更に影響を与えているかもしれません。

新しい候補者、朱立倫は新北市長選で民主進歩党の蔡英文を破り当選しています。朱氏は洪氏よりも高い得票率を得るかもしれませんが、選挙2ヶ月前の交代劇が選挙に与える影響も危惧されています。総統選挙に出馬するため、新北市長を3ヶ月休職することも、マイナス要因と言えるでしょう。

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